コーヒーはジェシーのガスステーションで

今夜ジェシー・ハリスのライブを見て来た。
帰り道、家の近所にできた友人がオーナーのイタリアレストランに立ち寄った。
いま歩道に面したテラスで書きはじめている。

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北米大陸のどこまでもまっすぐ延びたハイウェイ。
遅い午後、一台のライトブルーのセダンが西へ向かっていた。

スピードメーターはずっと55mphをキープしたままだ。
車内のFMカーラジオからは、時折気の利いたジョークを交えながら
知的な女性DJの声とともに乾いた音楽が緩やかに流れている。
昼近くになって道路沿いのモーテルを出てこの時間まですれ違ったのは
16輪を持つトラックと黒いエルカミーノ。
それに原型をとどめていないほどにカスタムが施された
ハーレーダビットソンだけだった。

彼は今日二本目のタバコに火をつけた。
コーヒーは80マイル先にあるジェシーのガスステーションで。

バックミラーにはグレーの雲が迫ってきていた。
雨に飲み込まれる前までにはジェシーの店のカウンターで、
熱いコーヒーにたどり着きたい。
彼は少しだけアクセルペダルを踏み込んだ。
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僕はそんな自由な想像とともに90分ほどのライブを楽しんだ。
そしていま今夜二杯目のエスプレッソにようやくたどり着いた。

(僕のフェイスブックより転載)

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