夏は季節の頂を超える

このシリーズは今回で終了です。いまようやく、夏の一冊のアルバムが完成したような気持ちでいます。みなさん、お付き合いいただきありがとうございました。

「僕の夏は3月の最終週の週末からはじまる。日焼けを楽しむ。ゆっくり丁寧に時間をかけて肌を太陽に晒していると、体内にくぐもっていた冬が身体から抜け出ていくのがわかる。風が気持ちいい。こうして6月のはじめに夏は季節の頂を超える。残りの時間はオマケ。ただただ、気だるい時間を貪るだけだ。」

14/14
パリと夏のイメージを僕の記憶から取り出して、アートポスターに添えています。14回シリーズの今日はその14回目。

「パリの美術館アートポスター展」
開催:2018年8月1日(wed)〜12日(sun) / 終了しました。
会場:シャムロック1階(広島市中区土橋町6-29)」

あの逃避行から

「南の島で自由気ままに暮らしてみたかった。それだけの理由で7年の記者生活を辞め実行に移した。現実を逃れたわがままの旅は、後の人生に少なくはない代償と不安と小さな希望をもたらした。そんな僕が今日ここで素敵な夏の時間と、みんなに出会えている。あの逃避行から始まった人生は格別に面白い。」

13/14
パリと夏のイメージを僕の記憶から取り出して、アートポスターに添えています。14回シリーズの今日はその13回目。

「パリの美術館アートポスター展」
開催:2018年8月1日(wed)〜12日(sun) / 終了しました。
会場:シャムロック1階(広島市中区土橋町6-29)」

行き先はどこでもよかった

「夏の夕方、オートバイで日本海沿いのある街まで走ることにした。まず向かったのは京都だった。そこには僕がこれから付き合うかどうか考えあぐねていた女性が待っていてくれた。「途中、お腹が空くといけないから」と彼女は僕に夜食をもたせ見送ってくれた。夜通し走る。僕の行き先はどこでもよかった。」

12/14
パリと夏のイメージを僕の記憶から取り出して、アートポスターに添えています。14回シリーズの今日はその12回目。

「パリの美術館アートポスター展」
開催:2018年8月1日(wed)〜12日(sun) / 終了しました。
会場:シャムロック1階(広島市中区土橋町6-29)」

ラジオが見ていた

「『なにしてんの もたもたしてたら逃げちゃうよ 夏なんて一瞬 夏なんて嘘つき』一昨年の夏、傍のラジオから中学二年の女子生徒が詠んだ作品が流れてきた。それはまるで僕の心を見透かされているようだった。土曜日の遅い朝、窓から見下ろした通りには、街路樹が道路にきつい影をつけていた。」

11/14
パリと夏のイメージを僕の記憶から取り出して、アートポスターに添えています。14回シリーズの今日はその11回目。

「パリの美術館アートポスター展」
開催:2018年8月1日(wed)〜12日(sun) / 終了しました。
会場:シャムロック1階(広島市中区土橋町6-29)」

はたしてパリは…

「ジョージ・ガーシュウィン / 巴里のアメリカ人、カレン・ソーサ / Paris、カトリーヌ・ドヌーヴ / ロシュフォールの恋人たち、ジャック・レモン / 幸せはパリで…など、僕のパリはいつも音楽と映画の中を遊んでいる。はたしてパリは想像の中だけでエンドロールを迎えるのだろうか。」

9/14
パリと夏のイメージを僕の記憶から取り出して、アートポスターに添えています。14回シリーズの今日はその9回目。

「パリの美術館アートポスター展」
開催:2018年8月1日(wed)〜12日(sun) / 終了しました。
会場:シャムロック1階(広島市中区土橋町6-29)」

サムシングクール

「都会の夏が終わりに差し掛かっていた。バーのカウンターで一人の妙齢の女性が、隣に居合わせた男性に「私に何か冷たいものでもお願いできるかしら?」ジューン・クリスティの『サムシングクール』は、都会にこそふさわしい。」

8/14
パリと夏のイメージを僕の記憶から取り出して、アートポスターに添えています。14回シリーズの今日はその8回目。

「パリの美術館アートポスター展」
開催:2018年8月1日(wed)〜12日(sun) / 終了しました。
会場:シャムロック1階(広島市中区土橋町6-29)」

あなたの夢を募集します

「1990年代、あなたの夢を募集しますというJALのキャンペーン「夢に翼を」に、僕は締め切り当日の消印でひとつの夢を応募した。その夢とは、アメリカを横断する路線バス、グレイハウンドのすべてのバスストップを撮影して本にするというもの。結果は無残。僕の夢はセンターラインを超え対向車線を走っていた。」

7/14
パリと夏のイメージを僕の記憶から取り出して、アートポスターに添えています。14回シリーズの今日はその7回目。

「パリの美術館アートポスター展」
開催:2018年8月1日(wed)〜12日(sun) / 終了しました。
会場:シャムロック1階(広島市中区土橋町6-29)」

サラサラのコパトーンだなんて

「コパトーンは白いクリームであるというのが僕の認識であった。今年の春、何十年ぶりかでそれを店頭に探し求めた。たった1本だけあったコパトーンはボトルにタンニングウォーターとして表示されていた。サラサラのコパトーンだなんて…。ココナツの匂いとベタついた白いクリーム、それがコパトーンだよ。」

6/14
パリと夏のイメージを僕の記憶から取り出して、アートポスターに添えています。14回シリーズの今日はその6回目。

「パリの美術館アートポスター展」
開催:2018年8月1日(wed)〜12日(sun) / 終了しました。
会場:シャムロック1階(広島市中区土橋町6-29)」

ケープ・コッドの南30マイルの島から

「ミラーの缶ビールが好きなビルとは、夏の沖縄のビーチで知り合い友達になった。出会ってしばらくして彼はメインランドに帰って行った。それから僕らが連絡を取り合ったのは一度だけ。ケープ・コッドの南30マイルの島から届いたポストカードには「いつも ともだち ビル」と日本語で書かれていた。」

5/14
パリと夏のイメージを僕の記憶から取り出して、アートポスターに添えています。14回シリーズの今日はその5回目。

「パリの美術館アートポスター展」
開催:2018年8月1日(wed)〜12日(sun)
会場:シャムロック1階(広島市中区土橋町6-29)」

もっと、南へ。

「ここから見てその南の島の夏は大勢の観光客が本土から集まってくる。島の中心部には数々のショップが立ち並び、夏が終わると観光客が去り、程なくしてショップの人たちも次の場所へと移っていく。もっと、南へ。行き着く先は国境に阻まれた孤島。夏は彼らを置き去りにして、そのボーダーを軽く超えていく。」

3/14
パリと夏のイメージを僕の記憶から取り出して、アートポスターに添えています。14回シリーズの今日はその4回目。

「パリの美術館アートポスター展」
開催:2018年8月1日(wed)〜12日(sun)
会場:シャムロック1階(広島市中区土橋町6-29)」