日曜の午睡、それからの時間

20140810C

台風が去ったあとの通りに広がる夏の明るい午後を、ブラインドで遮った部屋で四時間近く僕は眠っていた。午睡というには長い時間を終えて目覚めると、すでに日曜の夜が始まっていた。

いま二つの部屋の窓をすべて開放していると、夏の夜風が部屋を通り過ぎていく。スーパームーンが輝く夜空を眺めることもできる。その時間が好きなラジオプログラムとともにあるならば、それはとても幸運な夜だ。今夜がその時間だった。

プログラムが始まって僕はまずコーヒーを淹れた。いつもの窓側の椅子に深く身を預けゆっくりとマグに入ったブラジルを口にした。身体の奥底にゆっくり広がるカフェインと鼻孔をくすぐる香りが、リオの裏通りの散歩に誘った。ラジオからはバーのカウンターでNYで活躍するトランぺッターとナヴィゲーターの、ジャズの話題に興じている声が届いてくる。時折クルマが通り過ぎていく。歩いている人の話し声が、街路樹を伝い三階のこの部屋にあがってくる。そのすべての音がSEとなって、それは僕の中でプログラムの一部となる。

僕はこうして日曜の午後から夜を過ごしている。きみはいまどんな時間を過ごしているのだろうか。

Sometime, Somewhere, Somehow / Takuya Kuroda

 

 

コメントを残す